夏の季節に要注意! ~絶対に放置してはいけないもの~
レジャーや観光の季節でもある夏場では、子供を車内に置き去りにして死亡させてしまうという事件をよく耳にします。
窓を閉め切っていると車内の温度はかなり高くなるので、車内にこもるのはヒトを含むすべての生物にとてつもないダメージを与えてしまうということを、皆さんもよく理解されていると思います。
では、生物ではなく物はどんな影響を受けるのでしょうか?
「知ってて当たり前」と思う方がほとんどだと思いますが、知らずにやってしまう方も意外と多いため、改めて紹介していきたいと思います。
この時期の平均気温は年々上昇してきていますよね。
熱中症や脱水症状を発症して救急搬送される方や、命を落としてしまう方も年々増加しているので、今まで以上に体調管理には細心の注意をしていかなければなりません。
冒頭でも触れましたが、この時期になると幼児や児童を車内に置き去りにして死亡させる事故が発生します。
こうした事故が起こった後に、保護者の方々が必ず口を揃えて「死なせるつもりはなかった」という趣旨の供述をしていますが、最高気温30℃をゆうに超える季節ですから、こうした事態は誰しもが予測できるのです。
それは生命だけではなく、車内に積んである荷物に対しても同じことが言えます。
私自身もたまにやってしまうのですが、火気厳禁という注意喚起に対してはしっかりと意識しているのに、高温注意という注意喚起に対して「少しくらい大丈夫じゃね?」という意識を持ってしまうことがあります。
こうした注意喚起に対して「生き物・食べ物じゃないから大丈夫」とか、「少しくらいいける」という意識を持ってしまう方、結構多いのではないでしょうか?
児童の置き去りだけではない、夏場の車内に放置してはいけないものを、実例を交えて紹介していきます。
①スプレー缶
スプレー缶を暑い車内に置いておくと、爆発してしまう危険があります。
その威力はとても強く、上記画像のように車のガラスをいとも簡単に突き抜けてしまうほどなのです。
もし、その近くに人がいたら大怪我をしてしまう危険も充分考えられます。
直射日光の当たる所や火気等の近くなど、温度が40度以上となる所に置かないことなど、缶に危険な温度の記載があるスプレーを車内に放置するのは大変危険です。
ヘアスプレー、ガスコンロ用のガス缶、この時期に多用する制汗スプレーや、スプレータイプの日焼け止めなど車内に置きっぱなしにはなっていませんか?
また暑さ対策で、いつでも使えるようにと車用の冷却スプレーを車内に常備しているのも大変危険ですので気を付けましょう。
放置する場所によって被害は多少前後するかもしれませんが、負傷する危険性は変わらないため、車内への放置は控えましょう。
余談ですが、中身の残存量が多いほどスプレー缶が破裂する危険性は高くなります。
②パソコン・スマホなどの電子機器
皆さんが最もやりがちなのはスマートフォンを車内に放置してしまうことでしょうか。
スマートフォンなどの電子機器は、極端に熱を持つと、動かなくなってしまうことがあります。
最悪の場合には、スマホが変形してしまったり、液晶が割れてしまったりして壊れてしまうこともあります。
スマートフォンはリチウム電池を使用しているので、最悪の場合は爆発してしまうこともあります。
上記の画像は実例で、スマートフォンを車内に放置したことで爆発・炎上した画像です。
電子機器の動作可能温度は40度程度までとなっているので、50度以上になる真夏の車内に置きっぱなしにするのはとても危険です。
③炭酸飲料
飲みかけの炭酸飲料のペットボトルを車内に置きっぱなしにしておくこともありがちですよね。
熱くなったペットボトルの中の炭酸ガスが膨張して、爆発してしまいます。
すると、中のジュースも車内にこぼれてしまい、ベタベタになり掃除も大変です。
また、未開封の炭酸飲料の缶ジュースも爆発する危険があるので、車内に置きっぱなしにしないようにしましょう。
上記の画像は実際に放置していた炭酸飲料の缶が変形している画像で、幸いにも爆発はしていないようです。
スプレー缶と同じように封入されている気体が熱による膨張で爆発するので、大変危険です。
④乾電池
乾電池を暑い車内に置きっぱなしにすると、液漏れしたり、最悪の場合破裂・発火することがあります。
電池は自動車に搭載されるバッテリーと似ているので、ショートさせなければ大丈夫と安心するのは禁物です。
乾電池やボタン電池を使う子供のおもちゃなどを置きっぱなしにするのも危険です。
スマートフォンと同じで電池が使われている物は油断しないようにしましょう。
⑤ライター
タバコを吸う人は、ライターを車内に置いていませんか?
私もよくやってしまいがちなのですが、ライターの置きっぱなしもとても危険です。
暑さでライターのガスが膨張して爆発してしまいます。
ガラスを割ってしまうほどの威力があるのと、ライターは可燃性の物なので最悪な場合は火災事故にも繋がります。
60度ほどになると爆発しやすくなるので、真夏のダッシュボードに置いていると爆発の危険性がさらに高まります。
⑥プラスチック製品
プラスチック製品は、小物入れだったり、洗車用のカゴだったりと様々なものがあります。
車内であれば放置というより、画像のようなフィギュアやマスコットなどをインテリアとして設置されている方が非常に多いですよね。
こういったプラスチック製品は基本的に熱に弱く、気温と日光の熱によって溶けて変形してしまい、溶けたプラスチックが車内に付着して取れなくなってしまいます。
特に小物入れなどをダッシュボードに置いていると、ダッシュボードは車内の中で一番熱くなるところなので、溶けやすくて危険です。
⑦化粧品
化粧品もプラスチックの容器だったり、スプレータイプの物があったりと様々なので、先ほど説明したように車内に置きっぱなしにするのは危険です。
車の中に化粧品を置いたままにしておくと、高温によって口紅が溶けたり、中身が膨張して樹脂容器がふくらんだり、エアゾール製品やネイルカラーの容器が破裂するなどの様々なトラブルが起きることがあります。
どこかに出かけた時のちょっとした化粧直し用のメイク道具でも車内には置きっぱなしにせずに、少し面倒ですが持ち歩くようにしましょう。
製品とは別に注意しなければならないのは、車に積んでいる製品の種類によっては、太陽光による「収れん火災」が発生してしまうことです。
収れん火災とは、メガネなどのレンズに太陽光が一点に集中して引き起こされる火災のことを言います。
学生時代に理科の授業で、虫眼鏡を使って太陽光を一点に集中させるとどんな現象が起きるのか、ブラックボードを的にして実験したことがあると思います。
原理はそれと一緒で、メガネや透明な吸盤、水入りのペットボトルなどの透明な物をダッシュボードなどの太陽光が入るところに置いておくと、光の熱による自然発火を引き起こして火災になってしまう危険があります。
太陽光が一点に集中する先に紙や布などの燃えやすい物であれば、数分後には火災が起きてしまいます。
サンシェードの吸盤が透明ではなく色付きになっているのはこのためです。
もし、吸盤を買い替えるようなことがあれば、絶対に透明な吸盤ではなく色付きの吸盤を買うようにしましょう。
真夏日の車内の内装パネルは70℃以上になることもあって、この温度は人が一瞬でやけどしてしまうほどです。
それほどの高温では、物にとっても相当な暑さだと考えられます。
真夏の車内は数分後にはすぐに車内温度が上がってしまいます。
車内に置きっぱなしにしない方が良いと分かっていても「ちょっとの間だけだから…」「自分は大丈夫だろう」と油断するのはとても危険です。
車内はすぐ高温になるということを意識して、危険から身を守るために車内に放置しているものを今一度確認しておきましょう。