ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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知っておきたい車の警告灯(チェックランプ)の種類と意味 ~主な原因と対処方法~

 

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最近の若年ドライバーの中には車の整備や点検を満足に行うことができず、さらにはガソリンスタンドの使い方も知らないという方も少なくありません。

 

 

現在は新たな買い物を控える、節約が中心になっている時代なので、車などはレンタカー、もしくはカーシェアリングを利用するというライフスタイルが一般化してきています。

いわゆる車離れとも言われる現状を前にして、いざ行楽地や観光に向かうために車に乗るとなると、最低限の操作方法も分からずあたふたする人が大半のはずです。

その中でも車の走行中に警告灯(チェックランプ)、主にエンジンチェックランプが点灯するといったいどういう意味なのかわからずパニックになってしまうことも…。

 

今回はそんな警告灯の中でも最も頻繁に目にするであろうエンジン警告灯の意味や原因と、対処方について車について詳しく無い方にも一瞬でわかるように解説していきたいと思います。

 

 

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上記の画像が「エンジン警告灯」です。

エンジンチェックランプなどとも呼ばれていますが、正式には「エンジン警告灯」とされています。

エンジン警告灯に限らず、ほとんどの警告灯はスピードメーター近くにあります。

エンジン警告灯は黄色と決まっています。

メーターパネルにはいくつもの警告灯がありますが、主に赤色の警告灯と黄色の警告灯の2種類となります。

赤色の警告灯は、「すみやかに車を停車し対処が必要」の意味となり、黄色の警告灯は「すみやかに点検が必要」の意味となり、即座に車を停車する必要性がないものとされています。

この意味合いでは、エンジン警告灯が走行中に突然点灯しても慌てて車を停める必要はありませんので、落ち着いて対処しましょう。

最近の車、特に日本車は故障率が非常に低くなっており滅多に点灯することがなくなってきている傾向がありますが、万が一に備えて、エンジン警告灯の意味や原因、対処方法を順にご紹介していきます。

 

 

エンジン警告灯の意味は、「エンジンの制御系のトラブルが生じたときの警告」となっています。

トヨタ車など一部のメーカーでは、エンジンとトランスミッションの両方の制御系のトラブルが発生したときの警告灯としている場合があります。

車に付属の取扱説明書に、エンジン警告灯の意味が書いてありますので、愛車の取扱説明書をチェックしてみてください。

以下の外部リンクはすべて引用です。

 

トヨタ

toyota.jp

 

=日産=

http://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/SMARTPHONE_OM/NOTE_1407/VEHICLE/guid-23fe3d24-3c6b-4346-baa4-2e8d584d2cef_1_ja.html

 

マツダアテンザのものですが他車種にも同様の説明有)=

http://www2.mazda.co.jp/service/ownersmanual/atenza/qsi/30302.html

 

=三菱=

www.mitsubishi-motors.co.jp

 

=スバル=

www.subaru.jp

 

=スズキ=

http://www.suzuki.co.jp/car/owners_manual/files/2_99011-65P01_20140917094023.pdf

 

 

ちなみに、エンジン警告灯のデザインと基本的な意味は日本国内メーカーではすべて共通となっています。

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また、ほとんどの有名な外車メーカーでもほぼ同じとなっています。

エンジン警告灯のデザインは、JIS規格(日本工業規格)で定められており、どの車も同じとなっています。

各種警告灯は赤色と黄色、青色があります。

赤色で点灯する警告灯(オイル・水温等)は「車を即座に停車」する必要のあるもので、オレンジ色は、すみやかな点検の必要性を警告するもので統一されています。

JIS・D0032(自動車用操作、計量、警報装置類の識別記号)、ISO2575(自動車用制御装置の記号、インジケーターおよび識別信号)という項目で定められています。

また、このJIS規格は、世界標準規格のもと制定されています。

外車で多少デザインは変わっていたとしても、一目でエンジン警告灯とわかるようになっています。

 

 

どういったときに警告灯は点灯するのか。

 

大きく分けると2通りあり、まず1つはキースイッチをオンにした時です。

キーを回してエンジンをスタートさせるとき、一瞬、メーターパネル内にあるすべての警告灯が点灯するのはご存知かと思います。

このすべての警告灯が点灯する意味は、各警告灯のランプ切れや警告システムそのものの異常がないかどうかを点検するために行われています。

システムに問題がなければ、エンジン始動後まもなくして各警告灯は消えます。

消えなかったときは、エンジンに何らかの異常があるということになります。

シートベルトやサイドブレーキの警告灯など、作動している・未装着の状態を知らせるものもあり、エンジン始動後も作動させたままだと警告灯はつきっぱなしになります。

エンジンをかける時、すべての警告灯が点灯するかどうか、時折チェックしてみてください。

点灯しないものがあれば、ディーラーや整備工場などで点検を受けてください。

 

もう1つはエンジン制御系センサーが異常を検知した時です。

エンジンには無数の制御システムがあります。

その内、車の安全な走行や十分な性能を発揮しないなどの危険性があるものについてはセンサーが常に計測し、異常値を検知したときにエンジン警告灯を点灯させます。

異常を検知したときは走行中、停車中の両方でエンジン警告灯が点灯ないしは点滅します。

エンジンの制御系センサーについて簡単に紹介していきます。

 

O2センサー

排気ガス中の酸素の有無を検出する空燃比センサーのことです。

エンジンが暖まっている状態で作動するもので、エンジンが冷えている場合にはO2センサーは作動しません。

エンジンを制御しているコンピュータは、エンジンの燃焼している状態を、燃焼した後に残っている酸素の量で判断しており、酸素が検出されるということは燃料噴射量に対して空気が多い、燃料が薄いということなので、もっと燃料を吹くように指令を出します。

エンジン警告灯が点灯した時に整備士の方が真っ先に疑うのがこのセンサーによる点灯です。

マフラーにある有害物質を取り除く「触媒」に異常が発生し、一定の酸素濃度を超えるとエンジン警告灯が点灯、点滅します。

放置すると、マフラーの触媒部が高温になり、近くに燃えやすいものがあると引火、発火のおそれがあります。

エンジンの温度を測りながら燃費がよくなる最適な状態を維持するためのセンサーです。

なのでこのセンサーが壊れたりすると燃費が一番悪い状態で走行せざるを得ないわけなのですが、最終的に車が急に止まったり速度が落ちたりすることはほとんどないので安心してください。

 

エアフロメーター

エンジンへ送る空気の量を測るセンサーです。

単にエアクリーナー・エレメントの汚れが酷くなっている場合でも、エンジン送る空気量が減り、エンジン警告灯が点灯することがあります。

また、エンジン吸気系のトラブル、故障でも点灯することもあります。

エンジン警告灯が点灯し、O2センサーの次に疑われるのがこのエアフローセンサーによる点灯です。

放置すると、エンジンが止まってしまう恐れもあります。

 

カム角センサークランク角センサー

文字通り、エンジンのカム・クランクの角度を測るセンサーです。カムやクランクは高速で常に動いているため、正常な位置からズレが生じることがあります。

カムやクランクの角度がある程度ズレてもエンジンは正常に回転していますが、燃費には大きな影響が及びます。

このため、カム角度、クランク角度センサーは燃費向上のためのものとされています。

放置すると、カム、クランクの角度のズレが許容範囲を超えエンジンを痛める恐れがあります。

カムシャフトの駆動にベルトではなくチェーンを採用している車がほとんどですが、このチェーンの劣化による伸びが発生することで、カム角とクランク角から得られる信号に、ほんの少しのタイムラグが生じることで異常を検知する場合が多いです。

特にダイハツなどはチェーンの劣化によるトラブルが多いです。

以下にタイミングチェーンに関する記事を掲載するので、興味のある方は見てください。

anastasier.hatenablog.com

 

イグニッションセンサー

エンジンの点火系のセンサーのことです。最近の車は、点火タイミングなどはすべて電子制御されています。

点火タイミングが何らかの原因でズレてしまうとエンジン警告灯が点灯します。

また、このときはエンジンが震えるような振動を発していることが多いようです。

放置すると、エンジンが止まってしまう恐れがあります。

 

スロットルセンサー

エンジン内部に空気を吸入する通路をスロットルバルブという円盤状の部品で閉じており、このスロットルバルブの開き具合(アクセルの踏み込み量)を測るセンサーのことです。

アクセルの踏み込み量=スロットルバルブの開度なので、エンジンの回転数、AT車の場合はギアの変速、トラクションコントロール付きの車の場合はその制御など多くのシステムと関係します。

放置すると、AT車の変速がうまくいかない、アクセルを踏んでも回転が上がらない、トラクションコントロールの不機能などの恐れがあります。

 

etc…

 

 

エンジン警告灯が点灯しても慌てて車を停める必要はありません。

余裕を持って車を安全な場所に停めてから、ディーラーなどの整備工場へ電話をして指示を仰いでください。

エンジン警告灯が点灯したとき、どのセンサーが異常を示したかはドライバーにはわかりません。

ディーラーなど整備工場へ行くと、エンジン警告灯のシステムに専用の機器を繋ぎ、どのセンサーが異常値を示したのかがわかります。

車に詳しくないドライバーでも、普段と違う車の乗り心地に気が付くことが多いですが、焦って車を動かそうとすると逆に事故を起こしかねないので、まずはコンビニなど近くの駐車場もしくはそのまま路肩に寄せるなどして、販売店に連絡・レッカーの依頼をしましょう。

警告灯点灯当初は自走しても問題ないことが多いですが、症状によっては稀にエンジンブロー(エンジンの内部破損)に繋がってしまうこともあるので、なるべく控えたほうがいいかと思います。

 

 

インターネットで「エンジン警告灯」を検索すると、エンジン警告灯が点きっぱなしでも大丈夫というような記事が散見されます。

確かに、それは合っている場合があります。

しかし、前提として、エンジン警告灯が点灯後に必ずディーラーなどの整備工場で点検を受けており、整備士から「点灯しっぱなしでも問題はない」という判断がある、ということ。

そして車検の検査項目においてエンジン警告灯シートベルト警告灯ブレーキ警告灯ABS警告灯エアバッグ警告灯がエンジン始動後も点灯し続けている場合は整備不良になってしまうので、早急な修理を強要されます。

直さない限り継続検査は受けられませんから、まだ愛車を手放したくないのであれば直すしかありません。

 

特にヨーロッパの外車に多いとされていますが、環境性能のセンサーがすぐに異常値を示し、エンジン警告灯が点灯する傾向があります。

ヨーロッパ諸国は、排気ガスの環境規制が厳しく、ほんの少しでも規制値を超えると環境性能系のセンサーが反応してしまうようです。

また、環境性能を高めるためのパーツが日本車よりも多用されていることもあり、センサーの数も多くなってエンジン警告灯の点灯する確率が上がってしまうようです。

さらに、電気系統は日本車よりも耐久性が劣る傾向があり、これもエンジン警告灯の点灯率を高める要因となっているようです。

 

 

最近の車は故障が少なくなりましたので、実際に故障が発生するとどうしたらよいのかわからなくなりがちです。

 

免許を持っている方は、自動車の整備も義務の1つとなっていますので、この機会に復習なさってみてください。