ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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自動車技術の進歩 ~タイミングベルトとタイミングチェーンの違い~

 

自動車に搭載されるエンジンは外気の吸入エンジン内部での燃料と混合させて圧縮電気によって混合気に引火(燃焼)・燃焼によって発生したガスを排出の4工程を連続で行っています。

 

 

ディーゼルエンジンだと3番目の引火の部分が圧縮による熱によって燃焼させるので、その部分だけガソリンエンジンと異なりますが、それ以外の部分はほとんど変わりません。

 

エンジンには4サイクルエンジン2サイクルエンジンとあり、それぞれ働きが少し変わってきます。

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引用:http://www.jal.com/ja/jiten/dict/g_page/g246_2.html

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引用:https://www.ja-e-chuo.or.jp/car/car-9209/

 

1枚目が4サイクルエンジン、2枚目が2サイクルエンジンです。

それぞれストローク・1サイクルエンジンストローク・1サイクルエンジンという正式名称があって、吸入・圧縮・燃焼・排気の4工程をピストンの1往復で行うもの2往復で行うものの違いです。

そのどちらも、外気の吸排気を行う際にカムシャフトと呼ばれる部品の回転運動によってバルブを動かして行っているのですが、このカムシャフトはクランクシャフトの回転によって動いています。

この動力を伝えるのにタイミングベルトとタイミングチェーンの2種類の部品が使われているのですが、現在ではタイミングチェーンが主流になってきています。

それぞれの特徴を以下にまとめてみました。

 

 

タイミングベルト

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タイミングベルトとは、エンジンの吸気と排気のタイミングをコントロールしている部品です。


吸排気のタイミングはとても重要です。


なぜなら呼吸器のタイミングがズレてしまうと、不完全燃焼を起こしてしまったり、エンジンが停止してしまうからです。


タイミングベルトに障害が起きてしまうと、車の故障や事故に繋がる可能性があります。

 

タイミングベルトは、エンジン内部の回転部品(クランクシャフトとカムシャフト)を連結して回転させます。

 

ベルトが劣化した状態で使用を続けると、歯飛びや断裂によって回転部品の関係が狂い、エンジンの重大な破損につながる場合があるため、定期的な交換が必要です。

 

タイミングベルトは走行距離数が10万kmごとに交換を行うことが推奨されています。

 

トヨタ車では「走行距離数10万km」ごとの交換を推奨しており、多くの自動車メーカーがこの節目を基準としています。


また、ホンダ社などは距離数にこだわらず、こまめなメンテナンスを推奨しています。

 

しかし実際のところ、タイミングベルトが切れてしまい、修理に持ち込まれた車の7割以上が、走行距離数8~7万kmであるとのことがほとんどです。


このことから、距離数にこだわるのは良くないことがわかりますね。


こまめにメンテナンスすることをおすすめします。

 

 

=タイミングチェーン(ローラーチェーン)=

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基本的な役割はタイミングベルトと変わりませんが、ゴム製のベルトではなく金属製のチェーンを採用しています。

金属製のタイミングチェーンは20万km~30万kmを走破する耐久性を持ち合わせているため、基本的に廃車まで切れる心配はありません。

 

タイミングチェーン駆動には、耐久性のほかにもさまざまなメリットがあります。

幅広いゴムベルトに比べ、金属チェーンは細く、プーリーの小径化と合わせてコンパクトなエンジン設計で耐久性も確保できます。

また、走行中にチェーンが切れることを想定する必要がないため、ベルト駆動で確保されていたバルブタイミングの保護のためのバルブタイミングの余裕を、動力性能を引き出す方向へ振り分けることができます。

 

しかし、タイミングチェーンにも欠点があります。

タイミングチェーンのデメリットとして、高い耐久性と引き替えにした、大きな駆動ロスがあります。

重い金属製のチェーンを高速で回転させるうえ、チェーンの張りを保つために、常にテンショナーと呼ばれる部品で押さえつけなくてはいけません。

 

タイミングチェーンは20万kmから30万kmは切れないように設計されていますがその間に製品不良や、無理な力がかかった場合には破断することはあります。

普通に使用している限り、切れるということはありませんが、経年使用によりチェーン同士をつないでいるピン周りが磨耗して、チェーン全体が伸びて長くなってしまい劣化してしまいます。

チェーンが伸びた際の張り具合は、テンショナーで最適に保たれますが、バルブタイミングが合わなくなってくるため、エンジン性能の低下し始めます。

そして、エンジンが始動できなくなった状態が実質的な寿命となります。

チェーンの伸び原因である磨耗は、オイルの潤滑性能に依存しオイル管理が悪いと寿命を早めることになってしまいます。

 

仮に交換となった場合には、タイミングベルトとは比べものにならないほど高額な費用がかかるため、チェーン駆動のエンジンはオイル管理をしっかりとおこなう必要があります。

 

タイミングチェーンが劣化して伸びてくると「ジャラジャラ」「カラカラ」「ガラガラ」といった独特の金属異音が発生するようになります。

聞き分けるポイントは、始動直後と、アクセルオン・オフ時です。

始動直後の数十秒間は油圧が安定しないため、テンショナーによる張り調整が不十分なため、音が鳴るのは仕方がありません。

エンジンが温まって、油圧が安定すると音は収まり静かになりますが、劣化したチェーンでは常に音を発するようになります。

急激なアクセルオン・オフで回転数が変動すると、伸びたチェーンはテンショナーで抑えきれないほどたわみ、やはり音が鳴るようになります。

さらに伸びが進行すると、チェーン周りのガイドなどにぶつかるようになり、さらに激しい金属音が発生します。

 

エンジン周りはたくさんのノイズ発生源がありますので、聞き分けるのは難しいですが、ときどき耳を澄まして聴いてみましょう。

 

 

タイミングチェーンにはサイレントチェーンと呼ばれるものもあります。

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通常のチェーンよりも幅のあるベルト状のものを採用することによって、劣化によるチェーンの伸びが発生してもギアの歯面にしっかり噛み込むので、異音の発生を抑えることができます。

文字通り、静寂性を追求したチェーンです。

このサイレントチェーンは2000年ごろから採用され始め、現在ではほとんどのエンジンに採用されています。

 

ローラーチェーンの構造や材質を見直し、静粛性を高めたタイミングチェーンですが、静粛性と引き替えに従来のローラーチェーンよりも、オイル潤滑システム設計の善し悪しで耐久性が大きく差があるために注意が必要です。

特に、初期の物は磨耗耐久性に問題があり、チェーンが伸びることによって、ガラガラという異音、出力低下、エンジン始動不可などの不具合が早い段階で発生することが多々あります。

サイレントチェーンもローラーチェーンと同様にオイル管理により耐久性に大きく差が出ます。

エンジンオイルの指定グレード、指定粘度、指定交換時期をしっかりと守るようにしてください。

 

仮にタイミングチェーンの劣化が深刻になり、交換に至るとします。

タイミングチェーンは車種によってはエンジンを車体から降ろさなければならないので、さらに作業工賃がかかったり、頻繁な交換がない分一回にかかる費用が高額になっています。

多くの場合が10万円~20万円で、エンジンヘッドが複数あるV型エンジン水平対向エンジンでは、さらに倍近い費用がかかります。

タイミングベルト交換費用の相場が3万円~5万円であることと比べると、いかに大がかりな整備であるか分かると思います。
余計な出費を抑えるためにも、エンジンオイルの定期交換をしっかり行いましょう。

 

それに走行中にタイミングベルトが切れてしまうと、他の部品に影響が及ぶ場合が多いです。

タイミングベルトが切れた瞬間、シリンダーヘッド周辺で部品が高速でぶつかり合ってしまうので、最悪な場合、車から出火してしまいます。

そのため、タイミングベルトの修理費用だけでなく、壊れてしまった他の部品の修理費用も加わるため、修理に20万円以上掛かってしまうことも…。

多額の修理費用を払わないためにも、タイミングベルトのメンテナンスを定期的に行わないといけません。

 

オイル交換の目安はメーカーによって異なりますが、ディーラーなどでは半年経過もしくは5,000km走行時のどちらか早いほうでの交換を推奨しています。

車の使用状況によっても変わってくるので一概には言えませんが、早めのオイル交換も重要かと思います。

 

車は生活の一部を担っているので、より長く快適に運転するために日々のメンテナンスはしっかり行わないといけませんね。