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ドライバーを悩ませる窓ガラスの曇り ~原因と対策~

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冬季の到来とともに、多くのドライバーを悩ませる「車の窓ガラスの曇り」についてです。

 

 

窓ガラスが曇ってしまうと視界が遮られて安全運転にはマイナス要因となるので「車の窓ガラスの曇り」はドライバーにとって天敵と言えるでしょう。

その「車の窓ガラスの曇り」の発生のメカニズムと効果的な対処方法を簡単にまとめてみました。

 

窓が曇るという現象は一般的に「結露」と呼ばれている現象で、入浴中にお風呂場の鏡が曇ってしまったり、冬季に外出先から帰宅したときなどのメガネが突然曇ってしまうのと同じ現象です。

結露と湿度は強い関連性で結ばれています。

湿度とは空気中に含まれる水分量の割合を示す数値ですが、その数値が100%を超えるとどのような現象になるかご存知ですか?

空気は水分を抱えきれなくなって「水」として放出してしまうのです。

つまり、水分が結束して「水=露」になるので「結露」というわけです。

その限界点を数値化したものを「飽和水蒸気量」と呼んでいます。

 

下のグラフは、空気の温度によって変化する1立方メートルあたりの水分量を示しています。

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例として空気の温度を25℃とすると、1立方メートルあたりで持つことのできる水分量は23gです。

水1gを1ccと捉えて、一般的なミニバンのキャビン容量である6立方メートルと掛け合わせると138ccですから、500ccのペットボトル4分の1ほどの水分を保つことができることになります。

1名乗車ならば人間の呼気に含まれる程度の水分なので気にならないですが、フル乗車となると一気に吐出される水分が増加するので、窓ガラスが曇りやすくなったりします。

これが、ジメジメする雨の日ならば尚のこと曇りを誘発させる原因となります。

 

湿度も曇りを発生させる要因の1つですが、最大の要因は窓ガラスを境に車内と外気の温度差、「境界面の温度差」にあります。

車に限らず、何かしら壁のようなもので遮断するとその内側と外側で温度差が発生します。

その時の境界面で「結露」を起こすこととなります。

自動車のキャビンの場合、内装の内張りは直接外板と接していることが少ないために「結露」することは稀ですが、窓ガラスは車内外の空気の境界面となってしまうので「結露」しやすいのです。

例えば、冬に走行中の車内の湿度が50%とします。

そうすると、車内には11.5ccの水分が含まれているのですが、ガラス面で5℃近くまで冷却されると7cc程度の水分で飽和してしまうので、持ちきれなくなった水分が露となってガラス面に付着して曇りを発生させます。

 

気温と湿度による曇りの改善手段を5つほど掲載します。

 

 

窓ガラスを開ける

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地域によってはー20℃を下回る過酷な季節なので実践する方はあまりいないかもしれませんが、私個人としてはこの手段が一番手っ取り早く確実に曇りを解消できると思います。

車内は機密は高いので、窓の開閉で車内の空気環境は変化します。

ドアバイザーが装着されていれば、小雨程度の雨天時にも窓を少し開けて換気することも可能ですし、エアコンのないレーシングカーからフィードバックされた空力の応用で積極的に換気を促すようなエアロタイプのベンチレーテッドバイザーといった商品も存在しています。

それにヒーターの温度設定を少し高めにしておくと、少し窓ガラスを開けておいても全く気になりません。

実践する価値は十分にあります。

 

エアコンを使用する

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家庭用のエアコンと同様に自動車のエアコンにも車内温度を調整するために除湿機能が備わっており、夏場でなくてもエアコンをオンにすることで、車内の湿度を下げることができるので、曇り防止には効果があります。

エアコンが苦手という人や旧車などでエアコンがないという人は、空調パネルで外気導入を選んで外気を室内に導入することで、窓を開けた時と似たような効果を得ることができます。

そのかわり外気導入モードは、その言葉通り外気を車内に積極的に取り込むためのものなので、大型トラックなどの排気ガスを多量に排出する車両の後方にいると、車内の空気が淀んでしまい、長時間トラックの排気ガスを吸い込んでしまうと体調不良を招く恐れもあります。

最近の車は前方の車の排気ガスを検知して空調の車内循環・外気導入を自動的に切り替えてくれる装備がありますが、そうでない車で外気導入を利用する場合には、その場の状況を踏まえながら車内循環モードに変更することなども覚えておきましょう。

 

デフロスターを使用する

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フロントガラスが曇った際には、空調パネルにあるフロント側のデフロスターをオンにしましょう。

デフロスターのダクトはフロントスクリーン下部やサイドウインドウのドアミラー付近に設置されていて、エンジンの排熱を利用した温風を送風する機能があって、結露したガラス面の水分を乾燥させてくもりを除去してくれます。

リアガラスなどに装備されている熱線デフォッガーも同じような機能を持っています。

熱線デフォッガーはガラスにプリントされた熱線でガラス表面を熱することで曇りを除去します。

しかし、使用する電力が比較的高いことから長時間の使用には適していません。

また、熱線が高温になるので、使用中や使用直後に熱線部分を触れないように注意が必要です。

寒冷地仕様車であれば熱線デフォッガーは前後ともに標準装備になっているものがほとんどですが、一部の車種・内地仕様車は搭載されていないこともあります。

 

ケミカル用品を使用する

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古くから油膜取りとして知られるクリンビューですが、ラベルにも表記されているように曇り止めとしても有名な商品です。

一般的にガラスクリーナーには、界面活性剤という洗浄剤が配合されています。
この界面活性剤を塗布することで、ガラス面に親水効果が発生して、水滴ができにくい状況を作り出すので、ガラス面上の水分は曇りではなくペタッと濡れたような状況になります。

 

ガラスの内側を磨く

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ガラスの外側に市販の液体ワイパーやガラスコートを塗布してツルツルに磨いている方は多いかと思われますが、内側もツルツルに磨いておくことでくもりを防止することが期待できます。

タバコのヤニやホコリでガラス表面に細かな凹凸が出来てしまうと、吸気中の水分が凹凸をよりどころにして結露しやすくなってしまうのです。

雲の中の水蒸気に大気中のチリが反応して、雨や雪になるのと同じメカニズムです。

ただし、液体ワイパーなど撥水効果を発生させるケミカルを使ってしまうと、必要以上に水滴を作ろうとする作用が出てしまうのでくもりには逆効果となりますから注意が必要です。

マイクロファイバー雑巾やメラミンスポンジなどを活用してガラス磨きをしましょう。

 

 

自動車のエアコン装着率がほぼ100%になった今日では、一年を通してエアコンを利用する事が多く、オートエアコン装着車の場合は温度設定をする事で快適な車内空調がなされているので、空調パネルの操作自体に気を配る事が少なくなってきています。

しかし、乗車人数が変わったり天候が変化したりする事で突然派生する窓ガラスの曇りは、視界を遮る事になって安全運転にとってマイナス要因以外の何物でもありません。

曇りが発生する原因などを理解して、その場その場に応じた対処をする事で安全なカーライフを楽しむことができます。

 

日頃から気にしている人も多いとは思いますが、今一度窓ガラスの清掃やケミカル用品を使用して、より安全な視界の確保に努めてみましょう。