ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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SUVの醍醐味! ~リフトアップの特徴~

 

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別名ハイリフトとも呼ばれるリフトアップとは、車を改造して車高を上げることを指します。

リフトアップは1970年代にアメリカで生まれ、世界中に広まりました。

当初はオフロード走行を目的として車両をリフトアップしていましたが、1980年代にはドレスアップ目的に変化していきました。

リフトアップを実装できる主な車両は、フレーム自体が比較的丈夫で、ハシゴ状のフレームを基本としている構造のラダーフレームを採用しているものが対象です。

 

そもそも自動車の構造は大きく2種類に分けられます。

 

・フレーム型

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引用:https://toyota.jp/information/campaign/landcruiser/spec/

 

1つは自動車の誕生から現在まで続いている、最も基本的な構造の「フレーム型」です。堅牢なフレームの上から、別に製造されたボディを上乗せするという構造のフレーム型には、今回紹介するラダーフレームも含まれています。

 

モノコック

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引用:https://www.carsensor.net/contents/terms/category_493/_4583.html

 

そしてもう1つの車体構造とは、フレームを持たず、ボディそのものを骨格として強度を持たせた「モノコック型」のことです。モノコック型には、車体の軽量化やねじれ・たわみに強いというメリットがあります。

 

イメージ的には、フレーム型が体内の骨で体を支えている人間や犬、鳥などといった内骨格生物で例えられるのに対し、モノコックボディは体外の硬い殻で内臓や体そのものを支えている昆虫や蟹、海老などといった外骨格生物に例えられます。

ラダーフレームとは、その名の通りはしご(ladder)型のフレームのことで、その形からH型フレームと呼ばれることもあります。

その特長として、製造が比較的容易な事と頑丈であるという事が挙げられ、歴史的に見ても馬車の時代から使用され続けているという、信頼性の高い構造です。

 

しかしラダーフレームモノコック型と比較すると、全体的に重量が重く、室内空間の広さや乗り心地の面でも劣るというデメリットを持っています。

また、衝突事故などを起こした際には、衝撃吸収性に優れたモノコック型と比較すると、ラダーフレームはその構造上、車体後部まで衝撃が伝わりやすく、乗員の安全性に問題があるというデメリットまであるのです。

 

しかしボディ全体で車体を支えているモノコック型の自動車は、衝突などによってちょっとでもボディに歪みが生じてしまうと、まともに走れなくなってしまう可能性があります。

それに対し、ラダーフレームを採用している自動車は、エンジンやサスペンションなどといった車が走るのに必要な最低限の要素を頑丈なフレーム部分に搭載しているので、ボディがどれだけグシャグシャになってしまったとしても、フレームさえ無事なら問題なく走ることができるのです。

そのため、岩場や山道などの荒れ地を走行するオフロード車とラダーフレームは非常に相性が良く、本格オフロードを謳った多くの車種が、ラダーフレームを採用しているのです。

また、世界各国の軍隊で使用されている軍用車は、戦場という道なき道を走る必要があるため、そのほとんどの車種で頑丈なラダーフレームを採用しています。

 

主に採用されている車種は以下の通りです。

 

トヨタ

ランドクルーザー、FJクルーザー、ハイラックスサーフ

 

■日産

サファリ

 

■スズキ

ジムニーハスラー

 

etc…

その他ハマーなどあります。

最近ではラダーフレーム以外の構造車種でもリフトアップできる車種もあります。

 

 

リフトアップを実装する主な手段としては、オフロード走行を目的にした場合前後バンパーを取り外し、タイヤを含めたホイールのインチをアップする方法が主流です。

そうすると、オフロード走行時の斜面へのアプローチアングル性能の高めることで、強い走破性能を車に備えつけることができました。

 

ドレスアップを目的にした場合は、ラダーフレームとキャビンの間のマウントを交換し、車高をあげる方法が主流です。

足回りは改造しないため、走行性能が上がることはありません。車体の威圧感や迫力を高める意図があります。

 

もう1つ、スプリングを社外品に交換してリフトアップを図る方法もあります。

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スプリングの変更によるリフトアップは、かつて陸運支局等へ届出をし認可されることが必要で、無認可で公道を走行することは違法行為に当たりました。

しかし、1995年に規制緩和されたため、スプリングの変更は合法になりました。

ただし、数点決まりごとがあります。

「スプリングが遊んでいない」「最低地上高を9cm以上確保すること」等を守れていない場合、届出が必要になります。

 

また、車の高さが車検証の記載と整合しない場合、違法改造車になってしまいます。

違法改造車は、警察の検挙の対象になります。

また、車検が通らない・ディーラーで対応出来なくなってしまうなど、マイナスなことばかりです。

違法改造車にならないように、きちんと構造変更の手続きをしましょう。

 

 

リフトアップのメリット

リフトアップの最大のメリットは、ドレスアップ効果もありながら、走行性能が上がることです。

急な斜面・補装されていないガタガタ道・障害物や轍の多い悪路での走破性が格段に上がります。

また、乗車時の視線が上がることによって、見通しが良くなり、迫力が増します。

積雪地域では、融雪剤による車体へのダメージを受けにくくなります。

 

 

リフトアップのデメリット

逆に、リフトアップの最大のデメリットは、車高があることによって高架下やトンネルを通れないことです。

最悪な場合、重大な事故につながる恐れがあります。

また、乗車時の視線が上がることで、足元が見えなくなってしまいます。

さらに、風の影響が受けやすくなり、車体のバランスが崩れ安定性が低下します。

リフトアップをすると、普通車を運転する時以上に慎重な運転が求められることになるのです。

 

 

リフトアップの意味やメリット・デメリットなどをご紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

 

オフロード走行が好きな方にとっては、リフトアップはとても魅力的ですよね。

ドレスアップ効果もあるため、一石二鳥と言っても過言ではありません。

しかし、条件によっては違法改造車になってしまうので、事前にじっくり検討する必要があるかもしれません。

 

SUV車にお乗りなら是非ともリフトアップを実装して、安全運転で楽しいカーライフを送ってください。