快適なカーライフに欠かせない車の日常点検
ドレスアップの投稿が続いているので、今回は車の日常点検に関する投稿です。
過去の投稿と内容が被る部分もありますが、ご容赦ください。
車にはいろいろな部品が搭載されていて、それぞれ特別な役割を果たすと同時に、経年劣化に伴って定期的な交換を必要とします。
点検や車検時に交換することがほとんどですが、なかには「あまり走らないから」と費用を最低限に抑えて終わらせる人も多いかと思います。
しかしそれを繰り返すことで部品が折れてしまったり、タイヤが外れたりパンクしたりと走行中のトラブルが起こりやすくなってきます。
工具などを一通りそろえている車好きの方なら大抵のことは自分で直すこともできますが、ほとんどの人はそうではないと思います。
なので車の日常点検を、エンジンルームを中心に紹介していきます。
~エンジンオイル~
ガソリン車・ディーゼル車に限らず道路を走るすべての車のエンジンに使用されている潤滑油です(電気自動車は例外)。主に動力源となるエンジンを滑らかに動かすための役割があります。まるで人間でいう心臓と血液みたいですね。
このエンジンオイルには以下のような役割があります。
①潤滑
エンジンは1分間に何百・何千回転と高速で動くので金属同士の摩耗や焼き付きを軽減させています。
②密封
ピストンの上下運動のために、シリンダーとの間にわずかな隙間が設けられています。この隙間から燃焼圧力が逃げて動力損失を招いたり、排気ガスや未燃焼ガスがクランクケース内に吹き抜ける「ブローバイガス」の発生を軽減します。
③冷却
当たり前ではありますが、エンジンは燃料を燃やすことで動力を得ています。そのためエンジン内部はかなり高温になるので、冷却水と同様にエンジン内部を冷却しています。熱を吸収したオイルはオイルパンに戻り、冷却されます。
④洗浄
エンジンの燃焼や回転運動によって様々な汚れ(スラッジ)が発生します。汚れが溜まってくるとエンジンの性能を低下させたり、エンジンの寿命を縮めてしまいます。この汚れをある程度吸収する役割があります。
⑤防錆
エンジンの熱と外気温の差によって、エンジン内部に結露が発生することがあります。普段通勤などに使用している場合はあまり見られませんが、年間の走行距離が少ない場合などによく見られます。この水分によってエンジン内部に錆が発生してしまうので、それを防ぐ役割があります。
エンジンオイルの交換時期はメーカーによって個別に定められていますが、ディーラーなどでは5、000km走行ごと、オイルフィルターはオイル交換2回に一回のペースでの交換を推奨しています。
エンジンオイルの点検には取り付けられているレベルゲージによって行います。表面に「L」と「F」の印があります。LowとFullの略で、だいたいこの間の8分目あたりまでオイルが付着しているのがいいです。
新品のオイルは透き通っていますが、劣化してくると画像のように黒ずんでしまいます。逆に多量の水分が混ざっていると、オイルは白く濁ってしまいます。
この状態で走行を続けるとエンジンの焼き付きなどを起こす可能性があるので、定期的な交換をしましょう。
~ウォッシャー液~
ガラスに付着した汚れを拭き取るためのもので、すべての車に搭載されています。
クラウンやセルシオなど一部の車にはリアのウィンドウォッシャーがない場合があります。
画像のようなウォッシャーのマークが描かれたキャップが取り付けられている部分がウォッシャー液の注入部分です。
最近の車ではこの注入口にゲージが備えられているものもあります。ゲージには細かく印が刻んであるので、それをもとにウォッシャー液の量を確認するといいでしょう。
このウォッシャー液には不凍液というものが含まれていて、北海道など冬の厳しい季節でもウォッシャー液が凍らずに使用できます。
商品によっては1本そのまま注入するものと、ある一定の割合で水に薄めるものとあるので、注入前に確認しましょう。
水だけ注入しても使えますが、冬場などはウォッシャータンク内部が凍結してしまい、タンク及びウォッシャーモーターが破損してしまいますのでなるべく控えましょう。
~冷却水(LLC)~
エンジンの冷却やヒーターの温風などに使われるもので、赤・青・緑の3色あります。色ごとでの性能の違いはなく、メーカーによって使う色が違うだけです。
混ぜても問題はないですが黒っぽくなり汚れ具合の判別が難しくなるので、なるべく最初に使われていたものと同じ色を使いましょう。
冷却水の役割はエンジンの冷却とヒーター以外にもあり、冷却系統の防錆、ウォーターポンプなど冷却水の循環装置の潤滑の役割もあります。
液量の点検はラジエーターとともにリザーブタンクという容器が取り付けられているので、その容器に入っている冷却水の量を確認します。
画像のように上限と下限が設定されているので、上限いっぱいまで補充しておきましょう。
ウォッシャー液と同様に不凍液が含まれていて、LLCと水の混ぜる割合(濃度)によって凍結温度が変わってきます。濃度50%の時がもっとも凍結温度が低いので、水との割合を1:1になるように混ぜましょう。
間違っても水のみの補充はしないでください。沖縄県などの年中プラス気温の環境ではあまり支障はありませんが、北海道など冬の厳しい環境で行うと注入した水が凍結すると同時に冷却系統の体積の変化が発生してエンジンが壊れてしまいます。
交換時期はメーカーや車の使用環境で変わってきますが、トヨタ車の場合初回の交換は7年または16万km走行時。2回目以降は4年または8万km走行毎。
1回目と2回目で交換時期が違うのは、冷却水を交換しても古い液の一部が冷却系統内部に残ってしまい、完全に交換することができないからです。新品は透き通っていて、劣化が進んでくると濁ってきます。