ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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タイヤ交換したら車が振動する!? ~原因と改善方法~

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季節の変わり目には必ず行うタイヤ交換。

今まではなんともなかったのに、交換したら変な振動がするようになったという経験をした方もいらっしゃると思います。

なぜ今まで問題なく使用してきたタイヤが突然振動するようになるのか…

ここではその原因と改善方法を紹介します。

 

 

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タイヤから発生する振動の原因には「ホイールバランス」もしくは「タイヤバランス」というものが大きく関係しています。

このホイールバランスについてきちんと意味も知っている方は少ないのではないでしょうか。

ホイールバランスとはタイヤがスムーズに回転するために必要なバランスのことを言います。

しかし、タイヤもホイールも新品の状態でも少なからず真円でなかったり、円周上に重量のばらつきがあったりするのです。

この様な状態のタイヤは均一なバランスでの回転ができない状態になります。

 

 

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極端な話になってしまいますが、例えばビー玉を床の上で転がすとコロコロとスムーズに、遠くまで転がってい行きますが、起き上がりこぼしを転がそうとした場合はどうなるでしょうか。

起き上がりこぼしは起き上がらせるためにある一部分のみが重くなっているので、ビー玉と同じように転がらないのは当然ですよね。

このように全体の重さに偏りがあると転がりづらくなってしまったり、回転の仕方が不規則になったりしてしまいます。

この状態は、ホイールバランスがずれている状態と同じイメージです。

重さが偏っているところの反対側に同じだけの重りを付加することでスムーズに回転をさせる事が「ホイールバランスの調整」となります。

車を安全に走行させるためにはタイヤが均一に回転するように、ホイールバランスを調整することが必要になります。

 

 

新車の状態であればタイヤのバランスがズレるなんて考えられませんが、なぜズレてしまうことがあるのか、不思議ですよね。

想定される要因はおもに3つあります。

 

ホイールの歪み・変形

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走行中にホイールをぶつけてしまったり、どこかに乗り上げてしまった場合など、そういったことが原因でホイールが歪んでしまったり、変形してしまったりする事があります。

ホイールが真円ではなくなってしまうので、バランスのズレが発生します。

また、外観では目視できないほんのわずかな歪みがある場合もあり、特に低扁平タイヤを装着しているホイールはこうしたわずかな歪みが多いです。

 

タイヤの摩耗

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車の急発進や急ブレーキはタイヤの一部分の面だけ減らしてしまったり、急ハンドルや山道の走行が多い場合もタイヤの肩の部分だけ減らしてしまいます。

こうした偏摩耗が、回転した際に路面との接触で振動につながる場合もあります。

他にも車の足回り(アライメント)の狂いなど、タイヤの摩耗が均一にならない要因は多く存在します。

このタイヤの偏摩耗も、ホイールバランスのズレの原因となります。

アライメントについては以下の記事で解説していますので是非ご覧ください。

www.anastasier.xyz

 

タイヤ交換・組み換え作業をしたとき

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「タイヤやホイールを交換した時」にホイールバランスがズレてしまうこともあります。

タイヤ・ホイールどちらも新品の状態であったとしても、製造時の精度などによって完全な真円でなかったり、外周上の重さにもズレがある場合があります。

例えばホイールの重い部分とタイヤの重い部分を同じに組み付けてしまったとすると、タイヤ・ホイールそれぞれ最も重い部分が重なった状態になり、結果的に重量配分部分が偏ってしまうことになります。

 

そうなると当然、回転する時に重い部分と軽い部分で回転力が変わってしまい、均一な回転ができなくなります。

つまり「バランスがズレている状態」となります。

タイヤ組み換えの際にはホイールバランス調整が行われますが、タイヤ付きホイールの交換作業のみの場合はホイールバランス調整が行われないので注意しましょう。

 

 

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では、タイヤバランスが悪いとどのような問題が起こるのでしょうか。

まずは走行中、車が一定の速度の時に車体に細かい振動が出てきたり、ハンドルがブルブルと細かく勝手に振動したりします。

この一定速度と言うのは、高速道路を走行するような高い速度で発生する場合が多いのですが、発生する速度はそのバランスの狂い具合によって高速だったり低速だったりと変化し、更にその一定速度を超えると収まってきます。

どのタイヤがバランスがズレているのかの目安は以下の通りです。

ハンドルに振動がくる場合は前側のタイヤ

車体全体が振動するような場合は後ろ側のタイヤ

あくまでも一例であって、サスペンションの構造や車体の構造、重心の位置などによっても振動の仕方や感じ方が変わってきますので、異変を感じたときはホイールバランスを確認してみると良いかと思います。

 

 

タイヤバランスの調整はプロに一任するのが最良ではないかと思います。

ガソリンスタンドでも出来るところが多かったのですが、最近はセルフスタンドが多いので、なかなか作業が出来るガソリンスタンドを見つけにくくなりました。

タイヤショップやカー用品店などのタイヤの販売をしているお店なら確実に作業してくれるところが多いです。

タイヤバランスを調整するには専用の機械が必要なので、もし行きつけの整備工場があるようでしたらそちらでの作業も出来ます。

整備工場なら資格を持った整備士がいますし、調整するための機械もあるので安心だと思います。

有資格者などの業者に依頼する場合の料金は、だいたい1本あたり500~1.000円くらいが相場になります。

 

 

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タイヤバランス調整の方法は、ホイールの外周に重りをつける事で重さを調整し、回転時のバランスを均一化させます。

簡単に説明するとタイヤを外した状態で回転させて、スムーズに回転しているかを確認するのですが、重い部分は早く回ろうとするのでどうしても回転にムラが出てしまいます。

その重い部分の円周上の反対側におもりを付加し、回転を均一に近づける事でバランスを調整します。

 

 

3301 ホイールバランサー 100V 防爆仕様 最大24インチ

 

通常はこのような「ホイールバランサー」という専用の機械を使って測定・調整をするので、DIYでの作業をするのはなかなか難しいのではないかと思われます。

このホイールバランサーでの調整は、タイヤの回転方向と軸方向の両方のズレが調整出来るようになっているため大変便利です。

個人でこのような機械を購入することも可能ですが、金額的にみても「10万円〜」になるので、業者に依頼するよりもはるかに高値になってしまいます。

しかしどうしてもDIYでやりたいという方にはこんな商品も販売されています。

 

k368 ポータブルホイールバランサー貼り付けバランスウエイト0.6kg付き

 

これなら金額的には先程の機械と比べるとだいぶも手軽なのですが、ホイールバランスを調整する機会との兼ね合いを考えるとコストパフォーマンスが若干悪くなってしまいます。

さらにこのバランサーで測定出来るのはタイヤの回転方向のバランスしか調整出来ないので、簡易的な調整と考えてもらえると良いかと思います。

結論としては、タイヤバランスを調整するなら代金を支払ってでも業者にお願いして調整してもらうのがコスト的にも効果的にも最適となリます。

 

 

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ここまでタイヤバランスについて紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。

お金がもったいない、少しくらいなら我慢して乗っていればいい、なんて思う方もいらっしゃると思います。

しかしホイールバランスは調整したほうが絶対に良いです。

ホイールバランスがズレている状態で走行すると、振動によって車のさまざまな部分に負担がかかってしまうからです。

・タイヤホイール取付部(ハブベアリング)の破損

・タイヤの偏摩耗

・走行時の抵抗増加に伴う燃費の悪化

・etc…

 

そして何よりも、車の運転者が振動を気にしてしまうことで運転に集中出来なくなり、疲労の度合いにも影響してきます。

そのような意味でも車を安全・快適に走らせるにはホイールバランスの調整は必要不可欠な作業です。

タイヤを交換するタイミングで行うのはもちろん、高速道路を乗るなど長距離での運転をする機会があれば、ぜひ事前の確認や調整をお勧めします。