ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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車の電球を交換してもっと華やかに ~ヘッドライト球(バルブ)の種類と使用例~

 

 

前回の投稿に続き、今回も車のドレスアップに関しての投稿です。

 

 

 

車には室内、室外を合わせると数えきれないほどの電球(バルブ)が備えられていますが、この球にも種類があります。

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車に使われる球は画像上から順に「ハロゲンバルブ」「HID(ディスチャージ、キセノン)バルブ」「LEDバルブ」の3種類が使われています。

車の年式やグレードによって変わってきますが、古い車(主にH10年)などは搭載される球がすべてハロゲン球であったり、逆に近年ではすべてLEDが採用されていることが増えてきています。

 

 

球の種類によって明るさや寿命なども変わってきますので、ヘッドライトに使用する場合での簡単な紹介を以下にまとめてみました。

 

 

①ハロゲンバルブ

画像1枚目の一般的に多く採用される比較的安価な球です。

 

点灯する原理はいたってシンプルなもので、電球内部にバネのような形をした物体(フィラメント)、ハロゲンガス(ヨウ素臭素など)、不活性ガス(窒素、アルゴンなど)が封入されていて、電気を流すとフィラメントが発熱し、同時に封入されているガスと化学反応を起こすことで発光する仕組みになっています。

 

淡い暖色系の色合いが特徴で、雨天時や冬季などの夜間の視認性にも優れています。

また、ヘッドライトに積もった雪が熱によって溶かされるので、走行中ヘッドライトに雪が付着しても明るさに影響が出てくることが少ないです。

 

ただし、この発熱が原因でヘッドライトのレンズ内部が焼けてくすんでしまうことも非常に多く、一般的な寿命は約3年(1,000時間)とあまり長くありません。

また長時間の点灯はフィラメント部分に加わる熱はとても高く、その熱によってフィラメントが溶けてしまい、球切れしてしまうことがとても多いです。

車体の振動でフィラメントに伝わって切れてしまうことも少なくありません。

球切れを起こすと電球内部に黒いすすが付着していることが多いです。

 

コストパフォーマンス的には妥当なところかもしれません。

 

 

②HID(ディスチャージ、キセノン)バルブ

画像二枚目、主にヘッドライトのロービームに標準で採用される球です。よく聞くHIDは球の総称で、メーカーによって名称がディスチャージバルブとキセノンバルブの2種類ありますが、構造や原理はどちらも同じです。

 

原理は蛍光灯と一緒で、プラスとマイナスの電極を電球内部の両端に設置し、キセノンガスが封入されています。そこに高電圧をかけて電極間で放電させるとキセノンガスと化学反応を起こし、発光する仕組みになっています。

キセノンガスが採用されていることもあって、少し青みがかった発光色が特徴です。

 

ハロゲンバルブと違ってフィラメントを使用しない代わりに、電極間の放電を利用しているので、一般的な寿命は約5年(2,000時間)と長く、明るさもハロゲンバルブの約3倍。3種類のなかでもっとも明るく、夜間の視認性がとても優れています。

純正品も社外品も、HIDバルブの点灯回路上に専用の昇圧回路(バラスト)が設けられているので、ハロゲンバルブとほぼ同じ電力で使用することができます。

 

当たり前ではありますが、性能が優れているぶんハロゲンバルブよりも価格は高くなっています。

またバルブを点灯させる際に必要な電力をいったん昇圧回路で増幅させるので、ライトをつけた瞬間は薄暗く、光が安定するまでに少し時間がかかります。

長年使用していて球が劣化してくると、点灯した瞬間の発光色が新品取付時と比べて全く違う色合いになることがあります(ピンクなどになる)。これはメーカーや色温度ケルビン数)で変わってきますが、寿命が近づくとこういった現象が出てきます。

そして個人的な意見ですが、雨天・降雪時での点灯時は光が雨や雪に拡散され、晴天の夜間と比べるとハロゲンバルブより視認性が悪いような気がします。

 

ハロゲンバルブよりも性能は優れていますが、点灯時や悪天候での使用を考えると少し不安があります。

 

 

③LEDバルブ

近年、ヘッドライトのすべての球に採用されることが多く、LS600hなどのプロジェクターヘッドライトに採用されることが多い球です。

発光ダイオード(画像3枚目の黄色い物体)に電気を流すことで発光させる仕組みです。

 

ハロゲンバルブやHIDバルブは電気エネルギーを光と熱に変換するのでそれなりの電力が必要ですが、LEDの場合も専用の点灯回路を持ち、さらに電気エネルギーのほとんどを光に変換するので、消費電量を大幅に低減し燃費の向上に大きく貢献してくれます。

明るさはHIDよりもやや劣りますが、寿命は約15年(10,000時間)とかなり長く、点灯してから明るさが安定するまでの時間は3種類の中でもっとも短いです。短いというよりもほぼ一瞬にして最高輝度に到達します。

発光色もHIDより白く、個人的には夜間(悪天候も含め)の視認性がもっとも優れていると思います。

 

機能性が最も優れているぶん価格は3種類の中で最も高額で、安価なものでも2万円近くします。

社外品のなかには専用の点灯回路を持たずバルブだけのとても安価なもの(CREE製など)もありますが、そういったものはLED点灯時の電力が安定せず、新品取付から1ヶ月も経たないうちに球切れすることも多いので、そうした格安のバルブは使用しないことをオススメします。

またLEDバルブは球部分が3枚目のプレート型のものとハロゲンバルブのような球型のものがあります。これはLEDの発光が他の2種類と違って、ダイオードの取付面のみの発行になるため、使用する球をヘッドライトやフォグランプ内部のリフレクターの形状に合わせないと取付・点灯してもうまく照射できない場合があるので、その点を購入前に確認しておく必要があります。

さらにプレート型は球の規格(H4、H9、HB4など)とメーカーによってリフレクターの形状に合わせて取付時のプレートの角度を調整する場合もあり、これを怠ると夜間の点灯時に前方をまったく照らしてくれません。

電気エネルギーをそのまま光に変換するため他の2種類のバルブと比べて発熱量は極めて低く、降雪時ヘッドライトに付着した雪が溶けにくいので走行しているうちにレンズ表面にうっすらと雪が積もることが稀にあります。

 

明るさ・寿命を考えるとLEDバルブが一番いいのかもしれませんが、取付に少し手間がかかるのも難点ですね。

 

 

3種類の球はそれぞれメリット・デメリットを併せ持っていますが、結局のところ自分の好みで統一、もしくは使い分けるのが一番いいと思います。