意外と知らないオービスの種類と機能!
見通しがよい直線道路で、ついアクセルを踏み過ぎてしまった…。
そんなスピード違反を監視する無人式の自動速度取締機がいわゆる「オービス」です。
慣れない地方のバイパスなどを走っていると、急にあらわれて慌てることもありますよね。
なかでも運転初心者は、オービスの知識がないため、検挙される事例が非常に多いんだとか。
そんなオービス、現在どんな種類があるか知っていますか?
様々な装置や機能など、ここでもう一度おさらいしてみましょう。
オービス(自動速度違反取締装置)が設置されている道路には、その手前約1〜3kmに少なくとも2箇所、オービスが設置されていることをドライバーに知らせる看板があります。
この看板は、オービスによるドライバーへのプライバシー侵害を回避するためのもので、現在のところ固定式オービスが設置されている手前には、必ず設置されています。
つまり、「自動速度取締機 設置区間」という看板の先には、オービスが待ち構えているというわけです。
そのオービスには、大きく6つの種類があります。
①レーダー式
一般道・高速道問わず様々な道路で長く活用されてきたタイプで、走行している車に対してレーダーを照射して、速度を計測します。
道路上部にレーダーが設置されており、速度違反が感知されると、路肩に設置されたカメラで撮影されるという仕組みです。
最近では、少なくなりました。
②ループコイル式
おもに高速道に設置されることが多いタイプです。
レーダー式とほぼ同時期に運用されていたオービスがこのループコイル式です。
道路に磁場を出す装置を3つ埋め込み、2つを通過する時間で速度を計測しています。
レーダー式と比べて制度が高く、現在は赤外線を搭載したデジタルカメラも採用されており、24時間常に撮影されるようになっています。
③Hシステム
一般道でよく見かけるタイプです。
白い板状の機器からレーダーが出され、下を通過する自動車の速度を測定し、カメラが違反車両の画像を撮影するというのがHシステムです。
道路上にレーダーを照射する大きな白い箱が特徴です。
これとは別に新Hシステムというものがあります。
基本はHシステムと同じですが、レーダーの照射パターンを変えることで、市販のレーダー探知機が検知できないような工夫がされています。
いずれもデジタルカメラが採用されており、常に撮影されています。
④LHシステム
現在、設置数が増えつつあるオービスが、このシステムです。
速度計測はループコイル(L)式、撮影は新Hシステムを組み合わせたもので、道路上部に設置されたデジタルカメラで撮影します。
このため、速度検知の際のレーダー照射が一切行われず、レーダー探知機では判別することができないうえに、正確にスピードを検知します。
見分ける方法としては、小さな箱が2つ(カメラとフラッシュ)が並んでいたらオービスの可能性が高いです。
⑤
おもに一般道や高速道路など元々設置しているオービスがなく、スピードが出やすい地点で利用されており、いつどこで測定するのかわからないのが、この移動式オービスになります。
1BOXタイプのワゴン車などにカメラ装置やスピード計測機が搭載されており、場所を移動して撮影することができるため、残念ながら正確な場所の把握を行うことができません。
この場合でも、手前には「速度取締中」の看板が設置されますが、通常の看板とは異なり見落としやすいと言われています。
⑥小型オービス
いわゆる「ゾーン30」などと呼ばれる、市街地などの制限速度30km程度に抑えたエリアに多く導入されています。
このシステムは、速度違反の撮影に加えて、歩行者や自転車への警告も行うことができます。
撮影を知らせる看板が無いこともあるようです。
気になるフラッシュの色ですが、一般的には赤色が多いようです。
しかし、LHシステムなどの最新機種の一部では白く光るものもあるようです。
発光度合いはオービスの種類によりますが、目の前が真っ赤になるというような強烈な発光をするわけではなく、よほど鈍感でないかぎり、自分がオービスに撮影されたというのはわかるようになっています。
オービスが「何km以上で必ず撮影される」といった具体的な数値は、一般のドライバーは知ることができません。
ですが、一般的には、高速道路の場合で、制限速度プラス30km/h。
一般道の場合では、制限速度プラス20km/h程度でオービスが反応するようです。
もちろんオービスによっては、それ以下の速度でも撮影を行っている可能性もあります。
ちなみに、オービスとよく見間違われるのが、Nシステムです。
Nシステムは、通過車両のナンバープレートを撮影している警察の監視カメラです。
オービスのLHシステムと紛らわしいですが、こちらはただのカメラということです。
また、通過車両のナンバープレートを撮影する目的で、国土交通省が管轄しているTシステムというものもあるそうです。
以上が、自動速度取締機に関する解説です。
オービスといっても、カメラやレーダーなどによって名称が変わってくることを知っている方はあまり多くないかと思います。
安全運転を徹底していればオービスに怯える必要もないですが、どうしても先を急ぐ場合もあります。
そういった場合はこの記事の内容を思い出して、スピードの出しすぎに注意しましょう。