ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

主に車の自己流の整備や解説、ドレスアップをメインに掲載しています

採用車種が極めて少ないAMT(オートメイテッドトランスミッション) ~構造と解説~

 

f:id:anastasier:20180612134356j:plain

 

DCTデュアルクラッチトランスミッション)よりも聞きなれない駆動方式ではないかと思います。

日本ではトヨタのMR-S、スズキのアルトワークスなどに採用されています。

そんな希少なトランスミッションをわかりやすく解説していきたいと思います。

是非ご覧ください。

 

 

f:id:anastasier:20180612135259j:plain

 

2ペダルMTとも称されるこの方式はスズキではAGS(オートギアシフト)トヨタではセミオートマチックトランスミッションもしくはシーケンシャルマニュアルトランスミッション(略称は双方ともにSMT)と呼ばれていて、クラッチ操作を自動化して変速時のギア選択をドライバーが行う駆動方式を指します。

近年ではギア選択すらもコンピュータによる自動制御だったり、遊星歯車式のフルATやCVT方式にもシーケンシャル変速を備えているものがほとんどで、変速ギア全段をシーケンシャル変速用のシフトゲートやパドルスイッチを備えたステアリングホイール(ハンドル)が搭載されていることから、セミATとフルATの区別はかなり曖昧になってきています。

また、DCTと構造が似ているので以下の記事も参考にしてみるといいかと思います。

 

anastasier.hatenablog.com

 

 

 

f:id:anastasier:20180612150511j:plain

上記の画像は従来の5速MTのシフトパターンです(別名Hパターン)。

一般的なMT車の場合、例えば4速で走行していて信号のために停車した場合、次に発進するときは4速からギアを抜き、1速を選択します。

この時、ギアボックスの中では、4速→N(ニュートラル)→1速とギアが動いています。

一方、シーケンシャルトランスミッションは上記のようなケースで4速から停止(ニュートラル)、そこから発進する場合も、1速ずつギアを動かします。

ギアボックスの中では4速→3速→2速→1速とギアが動いています。

一般的なトランスミッションとシーケンシャルミッションの仕組みにはこのような違いがあります。

 

 

f:id:anastasier:20180612153653j:plain

こちらの画像はトヨタMR-Sのシフトパネルです。

一般的なAT車と違い、「R」「N」「S(シーケンシャル)」の3つのシフトしかありません。

この「S(シーケンシャル)」にシフトレバーを操作することで車は前進することができ、シフトアップする場合はパネル上の+側(手前側)、シフトダウンする場合は-側(奥側)にシフトレバーを動かすことで変速します。

変速操作が1直線状でのみ行われるのでIパターンとも呼ばれます。

この「+」「-」のパターンは、加速時は後方にG(重力)がかかるため、シフトアップしやすい後方に「+」を、反対に減速時には前方にGがかかるのでシフトダウンしやすいように前方に「-」を配置しています。

何速のギアが選択されているかは、常時メーター内に数字で表示されます。

変速のメカニズムは非常にシンプルで、マニュアルトランスミッションに取り付けた油圧ギアシフトアクチュエータによりクラッチ断続やギア選択を行います。

したがってドライバーはシフトレバーの前後操作による変速指示をするだけで自動的にギアの変速が行われます。

 

 

シーケンシャルトランスミッション はその構造上、シフトミスを防ぐことができます。

1速ずつギアチェンジをしていくことで、例えば5速から4速にシフトダウンするつもりが、誤って5速から2速に入ってしまうようなミスが起こりにくく、エンジンやミッションに過度な負担がかかることを避けられるほか、ハンドル操作に集中することができます。

このため、レーシングカーなどの競技車両などで使用される機会が多いのです。

基本的な構造はMTなので、動力の伝達効率も良く、高速走行時の燃費性能も従来のATと比べると格段に向上しています。

MTベースなので、スポーティな走りも楽しむことができます。

またクラッチ操作が自動で行われるため駆動方式はATとなり、AT限定免許でも運転できます。

 

 

反面、即座に2つ上のギアを選択するなどのギア飛ばしと言われる操作ができず、いかなる状況下においても即座にニュートラルにできるわけではないといった煩雑さがあります。

そのため、シーケンシャルトランスミッションは発進と停車を繰り返す街乗りでは不便に感じることがあるかもしれません。

またMR-SのようにDレンジを持たない初期のSMTではシフト操作をすべて手動で行わなければなりません。

基本的な構造はMTとほぼ同一なのでクリープ走行ができない車種がほとんどで、駐車する際にはPレンジを持たないかわりにサイドブレーキが必須になります。

サイドブレーキのかけ忘れによる接触事故も多々あるため、駐車する際はサイドブレーキが機能しているかどうかを確認しておかなければなりません。

球か即時にシフトアップ操作すると、シフトアップ時にクルマが大きく深呼吸したようなショックにみまわれるので、変速時にわずかにアクセル開度を少なくする必要があります。

 

 

シーケンシャルトランスミッションの構造と仕組みについて解説させていただきました。

アチェンジは、車を操るうえでの醍醐味のひとつであると思います。

シーケンシャルトランスミッションを搭載した2ペダルの車であれば、MT車、AT車限定の免許にかかわらず運転できます。

操る楽しさを堪能できることができれば、今よりもっと多くの車好きが増えるのではないかと思います。

そんな車がより多く出てほしいです。

 

 

 

以下の記事もあわせて読んでいただくと、より分かりやすいかと思いますので一度読んでみてください。

 

anastasier.hatenablog.com

 

anastasier.hatenablog.com

 

anastasier.hatenablog.com

 

anastasier.hatenablog.com