ドレスアップ(DIY)・豆知識備忘録

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車をカッコよくしよう ~フロントウィンカーポジションキット取付~

 

夜間の車の運転中、ウィンカーランプが常時点灯している車を見かけることがあるかと思います。

どこか壊れているんだろうかと思うかもしれませんが、これは故障ではなく意図的に点灯させていることがほとんどです。

ごく稀に故障していることもありますが…。

 

 

意図的に点灯させる方法として、

ウィンカーポジションキット

ウィンカーポジションリレー

上記のいずれかを用いるのと同時に、ウィンカーバルブをLED化する人がほとんどです。

ドレスアップの一環としてウィンカーポジションを実装する人はとても多く、性能や耐久性なども年々向上してきています。

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1枚目の画像がウィンカーポジションキット。

2枚目の画像がウィンカーポジションリレー。

どちらもウィンカーを常時点灯させるものですが、常時点灯以外にも備わっている機能があります。

双方に共通する機能として、減光調整というものがあります。ウィンカーを点灯させる際の光度は通常通りですが、常時点灯させる際の光度を自在に変えられる機能です。調整範囲はメーカーによって多少前後しますが、ウィンカー点滅時の光度を100%として、20~80%の範囲で常時点灯時の光度を変更できます。

 

ウィンカーポジションリレーはそれとは別に、ウィンカーの点滅速度をある一定の範囲内で自在に調整できることと、ハイフラ防止機能が備わっています。

ハイフラというのは、ウィンカーバルブが球切れを起こした際に点滅速度が倍近く早まってしまうことを言います。通常は球切れしたときに起こるのですが、もともとハロゲンバルブを採用している車種にLEDバルブを取り付けた際にも発生します。

これはハロゲンバルブとLEDバルブの内部抵抗に差があるため、それぞれの消費電力が大きく異なるために発生してしまうのです。

ハイフラ防止機能というのはその誤差による点滅速度の変化を均一化し、一定のタイミングを保つことができます。

 

半面、球切れを起こした場合も点滅速度が一定に保たれるので、ウィンカーランプの不灯に気付かないことがあります。

ウィンカーポジションユニットは基本的に防水機能が備わっているものがほとんどですが、メーカーによっては冷却のために通気口が設けられているものもあります。そういったものは水がユニット本体にかかってしまわないように、設置個所を選ばなければなりません。

そしてウィンカーポジションユニットにはハロゲンバルブのみ対応するものとLEDバルブにも対応するものがあるので、そこもチェックしておかなければなりません。

 

文章が長くなってしまいましたが、ウィンカーポジションの特徴は以下の通りです。

 

メリット

①ドレスアップの効果が大きく、周囲の注目を得やすい。

②点滅速度調整・減光調整を自分好みにカスタマイズできる。

③取付にあまり苦労しない(リレータイプ)。

④LEDバルブを取り付ける場合、ハイフラ防止リレーや抵抗を必要としない(リレータイプ)。

⑤ユニットが小型なので、設置個所を自由に選べる(ユニット・防水タイプ)。

⑥ウィンカーポジション機能のON・OFFをユニット側のスイッチで操作できる。

 

デメリット

①取付の際に配線加工が必要なため、最低限の電気の知識が必要(ユニットタイプ)。

②LEDバルブを取り付ける場合、LED対応のものが必要(ユニットタイプ)。

③LEDバルブを取り付ける場合、ハイフラ防止リレー・抵抗(施工ヶ所により最大8個)のどちらかが必要になる

④防水機能が備わっていないものは設置個所を選ばなければならない(ユニットタイプ)。

⑤1ユニットあたりに取り付けられるのは1ヶ所(フロント、リアなど)なので、すべてをウィンカーポジション化するには4個必要になる(ユニットタイプ)。

⑥フロントのポジション化は問題ないが、リア・サイドマーカー・ウィンカーミラーのポジション化は法令違反で車検不適合になる(ウィンカーミラーは点灯方法によって適合する。ユニットを内張内部に隠し、車検時にスイッチをOFFにしておくことで回避できる)。

 

上記のメリット・デメリットがあるのでウィンカーポジション化は賛否両論ですが、それでも私はフロント・リア・サイドマーカーの3ヶ所取り付けてしまいました。

ミラーウィンカーが付いていないのが残念です…。

 

なので今回もゼロクラウンを例に取付作業を掲載します。

 

私の経験を題材にするため、以下のものを用意しました。

①ウィンカーポジションユニット✖1

②LEDバルブ(T20・アンバー)✖2

③ハイフラ防止リレー✖1

 

ハイフラ防止抵抗でも作業はできますが、抵抗本体の発熱のためフレームなどの金属部分に固定しなければならないうえに、ウィンカーランプ1ヶ所に1つ(計4つ)必要になります。

抵抗4つの費用はリレーとほぼ同じなので、作業効率的にもリレーを用意しましょう。

 

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画像1枚目がLEDバルブ。

画像2枚目がハイフラ防止リレー。

どちらも様々なメーカーで製作・販売されていますが、お財布に余裕があるならバレンティで統一することをおすすめします。LED関係で信頼性の高いメーカーなので、揃えて損はないです。

どちらもオートバックスで取り扱っているので、展示されている適合表をもとに探してみてください(わからない場合は店員に確認)。

なお、LEDバルブは赤・白・アンバーなど様々な色があります。必ずアンバーを取り付けてください。車検不適合になります。

 

作業は大変長くなるので、ここではリレー交換とフロントのウィンカーポジションユニットの取付を紹介します。

 

 

ハイフラ防止リレー取付

 

まず初めに、ハイフラ防止リレーを取り付けていきたいと思います。

 

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画像はインパネ周りの下側のカバーです。この部分の上側にリレーが隠れているので外します。

黄丸の位置とその反対側(左端)にボルトが1本ずつ留められているのでこれを外します。

 

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次に黄丸のツメを奥側に押し付けながらカバーを下に引っ張ると、カバーの固定が外れて降りてきます。

必要以上に引っ張るとカバーに取り付けられた配線に負担がかかり、最悪の場合断線してしまうので気を付けましょう。

また、カバー奥側にもツメが2ヶ所ありますが、こちらは車体のくぼみに刺さるようになっているので、車両復元の際にこの部分の取付を忘れないでください。

 

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カバー内面には以下のものが取り付けられています。

①フットランプ

②空気圧センサースイッチ

③自己診断コネクター(OBD2)

①と②はコネクター部分を外し、③はカバーにはめ込まれているので、固定しているツメのロックを解除し、カバーから外します。

この3ヶ所を取り外すとカバー単体になるので、作業の邪魔にならないようにリアシート上などに移しておきましょう。

 

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足元から見上げると、こんな感じになっています。

まずは黄丸のコネクターを外しておきます。うまく外せない場合はペンチなどでコネクターを直接挟み、ロックを解除しながら引っ張ると比較的楽に外すことができます。

この時、配線を挟んでしまわないように注意してください。被覆部分が剥がれてしまったり、断線してしまう可能性があります。

 

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ネクターを外したら、黄丸のクリップを外して純正リレーを取り外します。マイナスドライバーなどでツメを押し込んでロックを解除してやると簡単に外すことができます。

リレー単体で外れてくるので、落下した拍子に頭などにぶつかってケガをする可能性もあるので、片手でリレーを軽く支えておきましょう。

 

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比較画像です。

左側が純正で右側が社外(ハイフラ防止リレー)。微妙に色が違うので、どっちがどっちかわからなくなることはないと思いますが、一応覚えておいてください。

先ほど取り外した純正リレーに固定用のクリップが残っているので、これを社外品に移植します。リレーとクリップの間を覗くとツメが見えるので、マイナスドライバーなどでロックを解除しながらクリップをスライドさせます。

工具が入らない場合は裁縫セットの針などでも充分代用できます。

 

無事に交換できたら一度点灯確認し、調整作業・車両復元は最後に行います。

ウィンカーポジションユニット・LEDバルブの取付・調整作業もあるので、これらが完了してから車内の作業に戻ります。

 

 

フロントバンパー取り外し

 

ウィンカーポジションユニット・LEDバルブ取付作業をするにあたって、作業スペースを確保するのにヘッドライトが邪魔になります。

なのでヘッドライトを外すために、その一部を覆っているフロントバンパーを外しておきます。

フォグランプをHIDバルブ・LEDバルブに交換する予定があるならこの作業と同時に行うと効率よく交換できます。

 

 

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まずエンジンルーム内のラジエーター上側を覆っているカバーを外します。

赤丸の9ヶ所にクリップが取り付けられています。真ん中の丸い部分を押し込むとロックが解除されるので、クリップを取り外しカバーを外します。

 

 

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今度はバンパー上側のクリップ・ビスを外していきます。

赤三角の位置にクリップ3個、ビス2本取り付けられているので外します。ビスはプラスドライバーを使って外してください。

 

 

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次に、バンパー下側のビスを外していきます。

上記3枚の画像を参考に、バンパーを留めているビスが計8本あるので、すべて外します。

 

 

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次に、画像中央にあるクリップを外し、フェンダー内部のカバーをめくります。

クリップの頭部分にくぼみがあるので、マイナスドライバーなどで90度(どちらに回しても良い)回転させると、クリップのピンが抜けます。車体に残ったクリップはフェンダー内部のカバーにくっつけたまま、バンパーから取り外してください。

 

 

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フェンダー内部のカバーをめくると、バンパーとフェンダーの境目に赤丸のビスが見えるので、これを外します。

バンパーを外す前に、フォグランプの配線を外しておきます。タイヤハウス内のカバーをめくって、隙間から手を突っ込めば外すことができます。

ただし取付位置の関係で、コネクター内部が腐食しやすくソケットにがっちり固まっている場合があります。その時はソケットを反時計回りに回転させて取り外してください。

 

 

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いよいよバンパーを外しにかかります。

傷付き防止のため、バンパーに隣接するヘッドライトのレンズ、フェンダーにマスキングテープを貼っておきましょう。

バンパーの脱着は2人以上で行ってください。

画像の赤線の部分(バンパー側内面)にツメが付いていて、フェンダー側のバンパーサポート(プラスチック部品)にがっちりはまっています。バンパーの両端を外側に思い切り引っ張って嵌合部分を外し、バンパーを手前に引き出します。

車種・グレードによってはコーナーセンサーやコーナーポールが取り付けられている場合があります。コーナーセンサーは配線を1ヶ所に集約しているので、コネクターを外しておくだけで大丈夫です。コーナーポールはメーカーによって取付方法が異なるので、取扱書をもとにバンパーから切り離してください。

邪魔にならないところに地面に段ボールなどを敷いて、バンパーを置いておきましょう。

 

ここまでが、フロントバンパー取り外しの工程です。

 

 

ヘッドライト取り外し

次に作業スペースの確保のため、ヘッドライトを外します。

ヘッドライトのロービームにはHIDバルブが装着されています。電気回路には高電圧がかかるので、作業完了するまではヘッドライトを点灯させないでください。感電する恐れがあります。

 

 

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赤丸の位置にボルトが取り付けられているので、ここを外します。そしてヘッドライト上部に長めのステーがあり、車体にツメではまっているので、マイナスドライバーでステーを軽く起こしながらヘッドライトを手前に引き出します。

この時ヘッドライト裏面にはたくさんの配線が取り付けられているので、ヘッドライトを必要以上に引き出さないでください。

 

 

ヘッドライト裏面の写真を撮り忘れていたので、以下のブログを参考にヘッドライトに取り付けられた配線をすべて外し、ヘッドライト本体を車体から切り離します。

minkara.carview.co.jp

基本的にはヘッドランプ裏面の画像、矢印の位置にあるコネクターを切り離せば問題ないです。

グレードによってはAFSランプ、ナイトビューが装着されている場合もありますが、画像に載っていない配線もすべて外してください。

なお、ウィンカーランプのみソケットごと反時計回りに回転させて、コネクターを外さずソケットごと外しましょう。

 

以上が、ヘッドランプ取り外しの工程です。

 

 

ウィンカーポジションユニット取付(フロント)

ウィンカーランプLEDバルブ取付(フロント)

ここではウィンカーポジションユニットの取付と同時に、LEDバルブも合わせて交換しておきます。

もうすでにヘッドライトは取り外してありますが、配線加工しなければならないのでまだLEDバルブは取り付けないでください。

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 ヘッドライトの裏面には、上記のプラスチック製品で覆われた配線がたくさん取り付けられています。

これはコルゲートチューブというもので、複数の配線を一括りにして、エンジンの熱などから配線を保護するためのものです。配線を割り込ませるため1直線だけ切断されていて、補強・固定のため表面をビニールテープで巻いてあります。

左右のウィンカーランプにもコルゲートチューブが取り付けられているので、チューブの切断ヶ所に沿ってビニールテープを切り取り、ウィンカーの配線を引き出します。

ビニールテープを切り取る際、中の配線を傷つけないよう注意してください。

 

ここから先はウィンカーポジションユニットに付属している取扱書に従って作業してください。

ウィンカーランプの配線は緑がプラス、スモールランプの配線も緑がプラスです。

スモール電源はどちらからとっても問題ないので、ユニットを設置する場所に合わせて取ることをおすすめします。

アース線はエンジンルーム内のボデーアース部分に重ねて取り付けても問題ありません。

また、本体の配線は余裕をもって長いものが付いていますが、ユニットの設置箇所によっては配線の長さが足りなくなることがあります。念のため新品の配線も用意しておきましょう。

 

取付が完了したら、LEDバルブを取り付けておきます。

 

ここまで出来たら、一度点灯確認してください。もしウィンカーが点灯しなかったらLEDバルブの極性が逆になっているか、ウィンカーポジションユニットの結線に問題がある可能性があるので、もう一度確認してください。

 

問題なければ調整作業・車内外の復元をして、完成です!

 

私はこの作業と同時にイカリングヘッドライトの取付もやったので、夏時間で日が暮れてしまいました。

 

初めて着手する作業は想像以上に時間がかかるので、しっかりと下調べしたうえで作業することをおすすめします。